【読書ログ】カスタマーエクスペリエンス戦略

 顧客の心とつながる経験価値経営

田中達雄 著  野村総合研究所 2018年

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この本からは、大きくは、3つの学び★がありました。

 

顧客満足を生むための権限委譲

接客される顧客は、人であり感性やや性格があり価値観、事前期待にニーズ、ウォンツもそれぞれ異なる。したがって画一的な接客中には満足しない顧客が生まれる。

それに対してカスタマエクスペリエンスに取り組んでいる企業は現場の社員への権限移譲(エンパワメント)を積極的に進めている。異なる価値観、事前期待、ニーズ、ウォンツに対して、それぞれの顧客を理解しその期待を少しでも上まわる接客行うことで結果としてすべての顧客に満足してもらうことを狙っている。

 

★2つの顧客満足

顧客満足については、合理的な満足と感情的な満足の2つがあり、顧客満足度=顧客ロイヤリティーの測定にはつながらないと述べている。

 

[合理的な満足と感情的な満足について]

●合理的に満足=良いか悪いか

機能性の価格情報が期待通りである

機能が豊富

性能が高い

価格が安い

情報が豊富

 

●感情的な満足=好きか嫌いか

自分にとって価値がある

後世に扱ってくれる

期待以上の対応してくれる

敬意を持って私に接してくれる

顧客であることを誇りに思う

安心信頼できる

約束を守ってくれる

簡単便利

気持ちが良い

かわいい、おしゃれ、かっこいい、クール

知的欲求が刺激される

自己実現できる

 

★パーソナライズは手段である

カスタマエクスペリエンスでは、パーソナライズの手段であり、本来の目的は「エンパシィ(共感)」である。エンパシィが得られるならばパーソナライズ機能は必要ない。人工知能の普及によりパーソナライズ機能を売りにするIT技術サービスが多く登場しているが、それらを導入さえすればカスタマエクスペリエンスが上がると言うわけではない。