【読書ログ】コトラーのマーケティング4.0
フィリップ・コトラー 2017年
恩藏直人 監訳、藤井清美 訳 朝日新聞出版社
【読後感と考察】
やっぱり面白い!
副題は、 from Traditional to Digital
●読後感として、、デジタル化って、生活や価値判断など、いろいろなものの「境界線」が曖昧になってきているのだな〜と感じました。
●キーワードは、「縦から横へ」
●私たちは自分自身の経験や判断以外に他者の意見に大きく左右される存在である。
(購買決定を下す際の基本的な3つの要因は以下の通り
①広告や広報活動等のマーケティングコミニケーション②友達や家族の意見③過去の経験に基づいただ個人的な知識や態度。)
●読んで驚いたこと これまでのマーケティングのSTPの考えからシフトチェンジする内容に言及していたこと。STPは「顧客コミュニティーの承認」に変化していくというものだ。
〜〜以下 興味深いフレーズの抜粋〜〜
はじめに
●技術の融合は、最終的にはデジタルマーケティングと伝統的マーケティングの融合につながるとわれわれは考えている。
第1章 つながっている顧客へのパワーシフト
●これまでの権力構造は激しい変化にさらされている。我々の生活に接続性と透明性をもたらしたインターネットが、こうしたパワーシフトに大きな役割を果たしてきた。
●ブランドと顧客の関係は、縦ではなく横でなくてはいけない。顧客がブランドの仲間、友達とみなされるべきなのだ。
●接続性のおかげで、顧客は集合地を利用して、より良い購買決定ができるのだ。
●透明性の高いデジタル世界では、欠点を隠したり、顧客の苦情を隔離したりすることは事実上不可能なのである。
第2章 つながっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
●接続性は競争や顧客に対する見方も変えている。
●競争相手との共同や顧客との共創は極めて重要だ。
●顧客はもはや企業のセグメントテーションやターゲティングやポジショニングの自動的な受け手ではない。
●インフラとしての接続性の次のレベルは「経験の接続性」で、顧客とブランドとのタッチポイントにおける優れた顧客経験を伝えるためにインターネットが使われる。
●新しいタイプの顧客の特性は、マーケティングの未来がカスタマージャーニー全体にわたってオンライン経験とオフライン経験のシームレスな融合になることをはっきり示している。
第3章 影響力のあるデジタルサブカルチャー
●他者に影響及ぼすと言う点におけるネティズンの役割は、常につながっていて貢献したいと言う彼らの欲求に関係がある。ネティズンは熱烈な伝道者でもある。
●ネティズンのコミュニティは、相互にメリットとなるような感情的なつながりに基づいて複数の階層に増大するので、ブランドのハートシェアを拡大するカギになる。
第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0
●マーケティングミックスの4Pは4Cに改められるべきだろう。
Co creation 共創 /Currency 通貨/communal activation 共同活性化/conversation 会話
第5章 新しいカスタマージャーニー
●タッチポイントやメッセージをの増大が必ずしも影響力の増大にはつながらないことを、企業は理解する必要がある。顧客ブランドの忠実な推奨者にするために必要なのは、ブランドからのわずか一瞬の予期せぬ感動だけだ。
●一見、個人的に見える多くの決定が、事実上、社会的な決定なのだ。新しいカスタマージャーニーは、このような社会的影響の増大を反映していなければならない。
第6章 マーケティングの生産性の測定指標
●測定方法 として、5Aの 各段階のコンバージョンを意識することが大切。
●ソリューションの例 好奇心を最適化する
顧客の好奇心を利用するためにコンテンツは検索可能でシェア可能でなくてはならない。
⬇️そのために、、
第9章 ブランドへの好奇心をかきたてるコンテンツマーケティング
●どのようなコンテンツが自分の顧客にとって価値があると思うか?を考える!
第10章 ブランドコミットメントを生み出すオムニチャネルマーケティング
●オムニチャネルマーケティングとは、様々なチャネルを統合してシームレスで一貫性のある顧客体験を生み出す手法である。
●そのためにはカスタマージャーニー全体に、考えられるすべてのタッチポイントとチャネルをマッピングすることが大切。次に最も重要なタッチポイントとチャネルを特定すること。
第11章 ブランドアフィニティーを築くためのエンゲージメントマーケティング
●顧客を行動から推奨に進ませることの重要性を過小評価してはならない。カスタマージャーニーにおけるこの段階こそが伝統的マーケティングとデジタルマーケティングを区別する要素なのだ。
●ソーシャルメディアマーケティングがソーシャルメディアを通じて、ブランドメッセージやコンテンツを伝える活動であるのに対し、ソーシャルCRエムは顧客の問題を解決する活動である。
むすび
●ワオ! の三特性
①予期せぬ動き②個人的なもの③伝染力
●すばらしい製品やサービスがコモディティー化している世界では、ワオの要因こそがブランドを競争相手と差別化する要素である。
✴︎ワオ! は、偶然起こるように見える。でも企業やブランドはワオを計画的に生み出せるのか?答えは「イエス」である。